ドル/円相場は、94円台前半を中心に揉み合う展開に。4月3~4日に黒田新総裁の下での初めての日本銀行・金融政策決定会合が開催されるのを控えて、神経質な相場展開になっている。欧州情勢に関しても、キプロス支援問題は一応の収束状態に至ったが、スペインの政局不安など積極的に仕掛ける材料は乏しく、狭いレンジ内での小動きに終始している。
日銀金融政策決定会合であるが、黒田総裁がデフレ脱却に向けて質的・量的に異次元な金融緩和策を打ち出すことができるかが最大の焦点になる。20145年から予定されている無制限緩和の前倒し、基金分と従来の国債買い入れの強盗、購入対象国債の残存期間延長といった案が浮上しており、まずは市場の期待を裏切らないことができるかが試されることになる。既に考えられる緩和策は出尽くした感もあるため、実際の決定会合後はドル安・円高方向に振れる可能性がある一方、強力な緩和政策の方向性が確認されればドル高・円安方向に振れる可能性もあり、方向性が読みづらい。ただ、期末の需給要因に基づく円高・ドル安圧力が解消されることを考慮すれば、ドル/円相場の下落余地は限定的だろう。
5日には3月米雇用統計の発表も控えており、前月に続いて強めの数値が出てくると、ドルサイドからドル高・円安が促される可能性もある。ただ、欧州リスクが完全に払拭されていない中では、安全資産としての米国債需要を完全に払拭することは難しく、大きな値動きは想定していない。基調は引き続きドル高・円安方向でみているが、日銀会合等は一時的に92.50円水準まで値が飛ぶリスクも想定している。上値は95.50円。
今後1週間の予想レンジは、92.50~95.50円。